自立した大人の精神性を持つというのはどういう状態のことを言うのか
私は親離れしていなくて依存しているんじゃないかと悩んでいらっしいませんか。
自立した大人になるのは自分で自分の人生を切り開いでいくようで格好がいいと思ったりしますよね。
ただ、自立することというのは、他の人の援助を一切受けないことではありません。
今回は自立に関しての勘違いを解説するとともに自立する際に気を付けてほしいことをまとめました。
Contents
1.自立した状態になりたいと思う際に気を付けたい自立にまつわる勘違い
①自立したいとか自立せねばという強迫観念を持ってしまうこと
自立したいと感じる人は、自立しなければならないと一種の強迫観念を持ってしまうことが多いです。
それは親に人生を左右されてきたから、その影響を極力廃したいと思う心からかもしれません。
ただ、極端に自立を意識してしまう状態は、自立しているとはいいがたいのです。
何故なら、結局自立を意識するのは、親の存在が自分にとって重いと思っているからです。
親によって、自分のに大きな影響がもたらされると感じているからです。
客観的に見て、このように感じているときは親の存在に依存しています。
頭の中に常に親の存在をとどめているくらいになっているのがその証拠です。
依存している依存していないという議論をしなくても、自分は自分で親は親であると自然に思える状態が自立していると思います。
②人との縁を切っていくことが自立した状態に近づくというものではない
人との縁を切って自分だけで生きていくというのは自立した状態とは言えません。
何故なら、人と交流することで精神的に自分が左右されることを意味するからです。
人と交流をしながらも、自分のために自分の選択ができる状態が自立していると言えます。
自立とは自分だけで生きていかねばならないと思っていませんか?
しかし、人間は多かれ少なかれ人と協力し合わなければ生きていけません。
引き受けられるところは自分が引き受け、引き受けられないことは人に頼むというのが基本なのです。
誰か絶対者みたいな自立した人がいて、その立場がいいんだと思うこともあるかもしれません。
でも、そういう人は大体孤独だったりします。
自分で全部のことができてしまったら、人に頼ることができないからです。
頼れるときは頼り、引き受けられる時は引き受ける関係性を作れることがちゃんと自立した状態と言えます。
③大人になれば依存がなくなるのではない
自立を大変に意識した状態になると、自立は正義で依存は悪のように思ったりします。
なんとなくそういう風潮が日本の中にあったりするのも一因かもしれません。
しかし、自立と依存を善悪で考えるのは違うのです。
自立は独立して物事を行って行く様を言い、依存は誰かの助けを得ることを言うだけです。
最近では、「助けて」と言えない人が多いと言います。
依存は悪と考えて、助けてと言えないのかもしれません。
しかし、人間は本来助け合って生きる生き物です。
依存することは、本来の人間の特徴的ともいえる動きなのです。
ただ、子供のように何もかもを依存するということではないのです。
言い換えれば、「わがまま」を言うのが大人の依存ではないのです。
相手がしてくれても断ってもいいという選択肢を与えたうえで依存する「お願い」が大人の依存なのです。
大人は、時には自立して行動したり、依存のポジションになったりします。
時と場を選んで自立と依存をいったりきたりするのが本来の大人と言えます。
2.自立をちゃんとするために気を付けておきたいこと
①親との関係において心理的な癒着をしていないか
親との関係で心理的な癒着をしていないのかを確認してみましょう。
癒着は子供の場合、親の人生を歩んでいるような状態になることを言います。
自分の行動を選択するのに、親の考え方を反映させようとしていないかを考えてみてください。
自分が家に帰宅するのに、親が何時に帰ってきてほしいのか気にしたりしていませんか。
ボーイフレンドがお母さんの好みかどうかつい考えたりしていませんか。
自分の行動基準として、親の意向を気にしている場合、癒着している可能性はあります。
癒着をしていると、親との間にはトラブルを抱えることがあります。
それは親の目線を気にしているため、自分の自由に行動できないことに不満を持つからです。
癒着をしている場合は、親との関係を少しずつ離していく必要があります。
手軽にできるのはとにかく主語を「自分は」にして話をしていくという方法です。
癒着している場合、主語が親とごちゃごちゃになっていることが多いからです。
少しずつ、関係性を見直せるといいですね。
②親を許していくこと
関係性が悪い場合、親を許していくことが自立のために必要なことになると思います。
親との関係が悪いと、人間関係の多方面に影響を及ぼします。
親との関係がすべての人間関係の基礎になるからです。
現実の親と仲直りするというよりは、自分の心の中で仲直りをするイメージです。
もちろん、現実の関係性を変えていくことも大切ではあります。
ですが、まずは自分の心の中のイメージを改善していくことでいろいろ改善が図れるのです。
悪い親のイメージがあると、ずっと親を攻撃し続ける心が残るため、大人同士の関係が築きにくくなります。
それは、一つの隠れ依存ともいえます。
憎しみ続ける親がいるからこそ今の自分が保てるような生き方になってしまうのです。
そして、心の本心では、「親は親らしくあって子供を助けるべきだ」という想いに立脚していることが多いです。
こういった隠れた依存を癒すのにも、親を許すのが有効なのです。
③自分の価値観とは異なる価値観を尊重すること
自分の価値観とは異なる価値観を尊重していけるようになることが大切です。
もっと言えば、尊重ができるようになるほどの心の余裕を持てることが必要なのです。
自分の価値観から言って、おかしなことをやっている人は沢山います。
その価値観はおかしいよと言いたくなることは山ほどあるのです。
しかし、その人にとってその価値観は大切なものであることが多いです。
それを頭ごなしに否定してしまうのは、いい関係を築くことができなくなります。
意見は意見として受け止めるというのは大切なのです。
もちろん、受け止めるということなので、意見を意見として聞くだけで構いません。
意見に従うかどうかはそれはあなたの都合を優先してください。
ただ、むやみに相手の意見を変えようとする姿勢はかえってごたごたを招くためやめた方が良いのです。
3.まとめ
・自立しなくてはならないという強迫観念から自立するのは親の幻影にとらわれている可能性がある
・自立するということは人との縁を切っていくということではない
・大人になって依存しなくなるということはない
・自立する前に親との関係性で癒着が起こっていないか確かめよう
・親のことが許せないと思うのであれば、親を許してから自立しよう
・自分の価値観と異なる価値観を受け入れられるだけの心の余裕を持とう
以上、参考になさってくださいね。