義務感を手放して自分のやる気を取り戻す方法
どうもやりたくないのだけれども、やらなければならないという事があると思います。
私もそういう想いに何度も駆られてきました。
- やらなければいけないことが分かっているがどうしてもやることができない
- やらされる感覚が抜けなくてやりたくなくなってしまう
- やるかやらないかでずっと葛藤してしまう
こういった義務感はどうして起こってしまうのかを今回は解説していきます。
そして、義務感が出てきた際のおすすめの対処方法についても記載しました。
以下を参考に義務感とうまく付き合っていきましょう。
1.義務感を感じてしまうのは何故か
義務感を感じてしまう理由は何があるでしょうか?
心を紐解いていくと、様々な理由が浮かんできます。
ここでは、義務感を感じてしまう心の動きを6点分析してみました。
①他人のニーズにこたえていると感じることだから
一つには、自分自身が本当にやりたい事であるというよりは、他の人のやってほしいニーズを引き受けていると感じるために義務感を感じてしまうのです。
他の人のために物事を引き受ける事はやる気につながる事もありますが、ずっと引き受け続けると、自分の気持ちを押し込めているため、やりたくないという気持ちが出てくるのは自然なのです。
例えば、仕事を手伝ってくださいと言われたとします。
おそらく、数回くらいなら相手のために仕事の手伝いはできるかもしれません。
しかし、何日も仕事を手伝ってくださいと言われると、やりたくない気持ちが強くなっていくと思います。
相手のニーズを引き受けすぎてしまって、これ以上引き受けたいと思えなくなってしまうのです。
特に相手が力関係で上の状態にあると、どうしてもやるしか選択肢がないと思い込まざるを得なくなり、義務的な気持ちが強くなります。
- 他の人のニーズを引き受けているため義務感を感じやすい
- ずっと引き受け続けていると自分の気持ちを押し込めているため、やりたくない気持ちが出てくる
- 相手の力関係が上だとやるしか選択肢がないため義務感が強まってしまう
②自分自身に過度なニーズを持っているから
他の人からのニーズや期待がなかったにしても、自分自身が自分に対して、過度なニーズや期待を持っているという事があります。
例えば、受験勉強ではそういう葛藤が生まれやすいのではないでしょうか。
自分はいい学校に入るために勉強をしなければならない。
いい学校に入りたいというニーズがあります。
しかしその一方で「勉強をやるのが辛いからやりたくない」という切実な気持ちが生まれているのが事実です。
相反する気持ちが2つ生まれてくるので葛藤が起こります。
葛藤によって「勉強をしなければならない」という気持ちが義務感となり重苦しく感じられてくるのです。
高い目標はやる気を高めてくれることもありますが、荷が重いと感じるほど高い目標は自分を潰してしまいます。
重苦しく感じるようなことがある場合は、今の目標が適切かどうか自分に問い直してみる必要があります。
- 自分自身が自分に対して過度なニーズや期待を持つと義務感を感じやすい
- 荷が重いと感じるほどの高い目標は自分を潰してしまう
- 目標が重苦しく感じる場合は適切な目標かを再検討する必要がある
③もったいないから辞める事ができないという気持ちがある
これも自分のニーズではありますが、やらなければならないを生む気持ちとして、「もったいないからやらなくてはならない」という言い方で自分を鼓舞することがあります。
今まで努力してきたこともあるため、惜しく思う気持ちもよく分かります。
しかし、「やりたい」というより「やらねばならない」と感じているなら気持ちが怖れ(不安から行動を起こす状態)に入ってしまっています。
やってあげたいなという愛の気持ちがあるなら乗り越えやすいのですが、怖れによるモチベーションは続きません。
一度、そのもったいないからやめられないという考え方を手放してみることをお勧めします。
もったいないからという気持ちではなく、本当に自分にとって大切なことかどうか改めて検討してみるのです。
案外、やらなくていいことだったと思うこともあります。
反対にやっぱりどうしてもやっておきたい理由がどこかにあるかもしれません。
見つめなおすことで「やっぱりやりたい」という気持ちが起きてくるようであれば、再度実施してみると良いかと思います。
- もったいないからやめられないので続けている場合がある
- もったいないからやめられない気持ちを一度手放すと自分の本当の気持ちが見えてくる
- 気持ちを見つめなおすことで「やりたい気持ち」が出てくれば再度実施してみるとよい
④自分の中の怖れをモチベーションにしているため
義務感で行動してしまう理由に心の中の怖れをモチベーションにしているということがあります。
例えば、受験勉強で義務感が生じるような場合、学校に入りたい気持ちよりも、学校に入れないとダメだという気持ちが強いのです。
「ダメになりたくないから」勉強をしなければならないをモチベーションに勉強しているという事です。
何かマイナスな状態を起こしたくないからやらねばならないことを怖れをモチベーションにしていると言っています。
怖れをモチベーションにすると「やらざるを得ない」気持ちが強く起こってきます。
怖れがモチベーションになっているなと感じるときは、できるだけ怖れを手放してみてください。
手放すというのは、怖れを感じきっていくという事です。
怖さを感じきっていった先に冷静になれることがあると思います。
その時に改めて、自分がやっていることの意味を問い直してみるのです。
- 義務感で行動してしまう理由に心の中の怖れをモチベーションにしていることがある
- 怖れがモチベーションになっているなと感じるときは、できるだけ怖れを手放してみるとよい
- 手放した後で冷静にやった方がいい理由を考えるとよい
⑤心が本当に欲しいと思っていることではない何かの利益を得たいがためにやっているから
心が本当に欲しいと思っていることではない何かの利益を得るためにやっている時、義務感を感じてしまいます。
例えば、お金のために資格勉強をするという動機です。
自分が本当にやりたい事であるというよりは、「お金がほしい」を満たすために勉強をしているのです。
人によっては、お金が欲しいが本当に心からやりたいと思ってできてしまう人もいます。
しかし、多くの人にとってお金は何かを達成する手段であり、本来の目的はもっと別にある心にとってどういった状況が好ましくて、努力を続けることができるのかしっかりと認識する必要があります。
- 心が本当に欲しいと思っていることではない何かの利益を得るためにやっているために義務感を感じてしまう
- 本来の目的は何かを探してみるとよい
- 心にとっての理想の未来をしっかりと認識する必要がある
⑥やっている事がやっぱりやりたくない事である
義務感をわざわざ感じているのは、やはりやりたくない事だからです。
義務感を感じてしまったとき、「やりたくないと自分は思っているんだ」という認識はしっかりと持ってあげたほうが良いと思います。
何故なら、「やりたくないということが認められないと、無理をして行動し続けなければならないという想いが膨らみ、その想いに押しつぶされてしまうのです。
かつての私は、義務感を持ってしまっているという事はやりたくない事なんだという事を認められませんでした。
それゆえに、「やらなければならないのにできない」という状況を長い間経験しました。
それは「やりたくない」という気持ちを自分で認めなかったからこそ、その気持ちが全く解放されなかったためです。
自分の気持ちを認めないと認められていない気持ちはどんどん強化されていくのです。
- 義務感を感じている時はやりたくないことをやっているからである
- やりたくない気持ちを認められないとやりたくない気持ちは残り続けてしまう
- 自分の気持ちを認めないと認められていない気持ちはどんどん強化されていく
3.義務感とどのように向き合っていけばいいか
①義務感をごまかさず、やりたくないと認める事
悔しい気持ちもあるかもしれませんが、やりたくないと思っている事を認めることが大切です。
ここを認めてあげないと、義務感を解消していく事が難しくなります。
それは、「そんなはずはないやりたい事なんだ」と頭で思い続けてやると「やりたくない」はずっと心の中に居続けるだけではなく、さらに「やりたくない」気持ちを増大させてしまうのです。
そうすると更に強い義務感の中で作業を強いられることになります。
自分の心を直視できないでいると、直視できるまで心は反乱をおこします。
心が感じる事はすべて正しいので、誤った解釈をしないように心に忠実になることが大切です。
自分の本音を素直に認めて受け止めていくと、「やりたくない気持ち」も徐々に解放されていきます。
- やりたくない気持ちを素直に認めることが義務感の解消に重要
- 気持ちを認めず義務感を強化してしまうと義務感から抜け出す時間が長期化する
- 自分の本音を素直に認めて受け止めていくと、「やりたくない気持ち」も徐々に解放される
②義務感を薄めていくことに力を注ぐこと
煮詰まってしまったらいったん感じている事を全て空っぽにする必要があります。
そのためにはまず、やらなくていいと思ってみて下さい。
やらなくていいと思う事によって心は少しずつ軽くなっていきます。
「やらねばならない」が首をもたげてきたら、「やらなくていいんだよ」と自分に言ってあげて下さい。
やらなくてはならない事情はいったん置いておきましょう。
心がついてこなければやることはできないからです。
義務感をいったん忘れてしまうのが賢明です。
そして、しっかり休息をとるということを忘れないでください。
心に振り回されがちになるというのは、疲れやストレスがあって決断できる力が鈍っているという状態にあるということなのです。
心は正直自分の頭では理解しがたいものがあります。
何も考えずにしっかりと休んでください。
- いったん心を空っぽにするよう心掛ける
- 「やらなくていいんだ」と自分に話しかけることで義務感は薄まっていく
- しっかりと休息をとっていくことが大事
③やってもいいかなと心から思えるようになるまで待つ
やってもいいかなと心から思えるようになるまで待つことが重要です。
本当にやりたい事だったら休んだ後に、また「やりたい」という気持ちが出てきます。
休んだ後で、この「やりたい」という気持ちを探して見て下さい。
「やらなければならない」という義務感がある状態で「やりたい」という気持ちを探すのは難しいです。
疲れをとって寝た後に、「やりたい」という気持ちがないかどうかを確認して見ると案外見つかりやすいです。
すべて完璧にやらなくてもいいのです。
完璧にやらねばならないと思ってやる必要はありません。
もちろん、完璧にやりたいからやるという気持ちならしっかりやっていってもいいのです。
完璧にやりたいのかやりたくないのか、自分がどっちに思っているのかは、自分の心に聞けば分かります。
やらなくてはならないという想いが強ければやめ、やりたいという想いが強ければやる。
心は自分の状況に応じて変わっていくもので、常に一定であるということはありません。
やらねばならないという想いが強く辛かったら、まずは休みましょう。
- やってもいいかなと心から思えるようになるまで待つことが重要
- すべてを完璧にやる必要はない
- 心は自分の状況に応じて変わっていくもので、常に一定ではない
④相手がいる場合、他にやりたいことがあるのでできないと伝えてみる
自分の本当の気持ちをニーズを伝えてくる相手にしっかり伝えることも対応策の一つです。
遊びたい、自分の仕事をしたい、休憩を取りたいなど自分の本当の気持ちがあると思います。
その気持ちは湧いてくることが悪いことではないのです。
この気持ちを「自分の怠け癖だ」というように責めるのはやめましょう。
自分の欲求は自分自身の状態によって適切に起きる自然なものなのです。
自然に起きるものをむげに否定してしまうと自分の心の状態を頭が理解できなくなってしまいます。
自然と起きる気持ちは肯定的にとらえるようにしてください。
この自然と起きた気持ちを是非ニーズを向けてくる相手に伝えてみてください。
伝えることで気持ちを汲んでくれることもあります。
また、汲んでくれなかったとしても、止めるという宣言がしやすくなります。
特に何かを押し付けられているようなときなどは、自分に責任はないのです。
勇気をもって断ってみるというのも一つの考え方なのです。
- 相手がいる場合自分の本当の気持ちを伝えることが大事
- 自分の自然な気持ちを否定しないようにしていく
- 相手が気持ちを汲んでくれることもあるし、ニーズを断りやすくもなる
4.まとめ
- 義務感を持つのは他人や自分のニーズと自分が心で感じている事とにギャップがあるため
- もったいないからやめられないという気持ちも義務感を呼び起こす
- 怖れを動機としたり、利益を得たいがためにやると短期的には頑張れるが、長期的には義務感が生じやすい
- 義務感の解消には自分のやりたくない気持ちを素直に認めることが大事
- 義務感が生じたら一旦休み、十分に休息が取れた状態で「やりたい」を探して見る
- 相手のニーズを引き受けている場合は自分の本当の気持ちを伝えることが大事
以上、参考になさってください。