許す心を持つと心の悩みが減り生きやすくなっていく3つの理由

許すことと聞くと、なぜか損をした感じになるかもしれません。
「私は悪くないのに許さなくてはいけないのか」と思うのもわかります。
しかし、許すことは相手のためにすることではありません。
許しは自分のためにするものなのです。
許しが自分にとって良い影響がある理由を解説していこうと思います。

1.許す心を持つと自分の心に良い影響がある3つの理由

①怒りやわだかまりといった感情が少なくなる

<POINT>
・許すことでわだかまりや怒りがなくなる
・許すことで物事に固執しなくなる
・許しは許可である

許すことが人生にとっていい影響を及ぼすのは怒りやわだかまりなどが少なくなるからです。
何故ならこれらの感情があることによって、常に心のエネルギーを消耗し、他のことをしようというエネルギーが湧きにくくなるためです。
もっとも、怒りの感情を抑え込むこと(ため込んでしまうこと)が板についているという前提です。
怒りを適度に行動で発散しているという場合は大丈夫かもしれません。

とはいえ、怒りがある状態は苦しいことが多いです。
その苦しさを手放していく方法こそが許すことなのです。
許すことができれば、人の行動がそれほど気にならなくなります。
それは許すことは相手の存在をそのまま認めるということだからです。
ありのままでよいということに許可が出ると、物事に固執しなくなります。
許しは許可ということなのです。

②昔怒りを感じた時と同じような出来事に遭遇しても怒りが起こりにくくなる

<POINT>
・許しが進むと怒りを感じていたことに怒りを感じなくて済む
・許しは自分の価値観や観念を変えていくこと

昔に怒りが出ていたような出来事でも怒りが起きにくくなります。
何故なら、許すことができると我慢できなかった事を気にしなくなるからです。

例えば、髪の毛を染めていることが許せないと感じているとします。
それは自分の価値観や観念などで髪を染めるという行為を禁止しているために許せないと思うのです。
例えば「髪を染めることが風紀を乱す」という価値観だったり、「髪を染めるのは不良のすること」だったりいろいろあるでしょう。

許すとはこの「髪を染めることは風紀を乱す」「髪を染めるのは不良がする」という価値観に許可を出すのです。
「髪を染めて風紀を乱してもいい」「不良と言われようと髪を染めてもいい」といった具合にです。
この許せなかった事が許せる状態になると、髪を染めている人を見ても「いいんじゃないか」としか思えなくなります。
この利点は何かと言えば、髪を染めている人にいちいち目くじらを立てずに済むということです。

相手に対して怒らなくなれば、心は平穏の状態が続きます。
また、他者との関係においてもトラブルがどんどん少なくなっていくのです。
自分の価値観・観念を自分で変えることによって、より生きやすい世界が広がっていきます。

③自由に生きていくことができるようになる

<POINT>
・許しが進むと怒りにとらわれなくなる分、自由に生きれるようになる
・許しができると他者の良い価値観を受け取ることができる
・許しが進むことでいろいろな可能性が生まれる

許しが進むと自由に生きることができるようになります。
何故なら自分の怒りにとらわれない分だけ、選択肢が増えるからです。
心の中に怒りを持ってしまっていては、選択肢は常に一つです。

とても優秀なビジネスパートナーがいても、「あの人は許せないから一緒に仕事はしない」という気持ちがでてきます。
せっかく、ビジネスチャンスが到来したとしても、気持ちの面でチャンスをつかめなくなってしまうことがあります。
もし、許しているならば、メリットとなるなら協力してもいいし、デメリットとなるなら静観するということもできます。
どうするかを自分で選択することができるわけです。

また、価値観を許していくことができれば、その許した価値観を自分のものにできます。
たとえば前の例で「髪を染めるのはいけないこと」という価値観を許せれば、おしゃれで髪を染める選択肢を持てます。
もちろん、染めても染めなくても自分の自由でいいのです。

選択肢が増えることは、行動が増えます。
行動が増えるなら可能性もどんどん増えていきます。
可能性が増えていけば、さらに自由に生きていくことが可能になります。
この積み重ねで、良いスパイラルを生むことも可能になっていくのです。

2.実際に許すためのステップ

では、実際に許すためにはどんなことを行っていけばいいのでしょうか?
許すために必要なことを次にまとめていきます。

①許そうという意欲を持つこと

<POINT>
・許しをするためには許そうとする意識が必要
・許したくない気持ちをまずは認めることが大事
・「許してみようかな」という気持ちは許し始める前提

まずは、許そうという意欲を持つということが大切です。
何故なら、意欲を持たなければ当然許していくことができないからです。

おそらく、感情的にも許すなんて嫌という想いが先行するのが普通です。
その気持ちはあってよい物なので、その気持ちがだめだという否定はしないでください。
まずは許したくないということをちゃんと認め、その気持ちを感じてください。
感じ続けていくと、だんだんと気持ちの中に余裕が生まれてきます。
その余裕が生まれたときにはじめて、「許してみようかな」と思ってみるのです。
正直、思っただけでは許したことにはなりません。

しかし、許してみようかなという意欲を持ち始めると、許すことに近づいていきます。
「許してみようかな」が「許していこう」にだんだんと変化します。
「許していこう」になったときにはじめて許しを行う準備が整うのです。

一つ注意があります。許しをしようと思っただけでは、まだ許せていないということです。
許せた状態というのは、今こだわっていることにこだわらなくていい状態になることです。
そして、許せない相手に対して心から感謝を言うことができるようになって許せたといえるのです。
そのため、意欲を持つというのは許しの第一歩なのだと思ってください。

②負けを認めるということ

<POINT>
・負けを認めるというのは許しを行ううえで大切なこと
・心の世界は相手も自分もイーブンであるという認識を持つことが大事
・自分の正しさを収めて、相手を認めるとすがすがしさを感じる

負けを認めるということは許しにおいて非常に大事です。
何故なら、負けを認められないと相手を攻撃する気持ちが収まらないのです。
許せないというのは、一種の競争のような状態にあると言えます。

というのも、自分も「自分は正しい」相手も「自分は正しい」という状況で戦ってしまうと引っ込みがつかないのです。
「自分は悪くない、相手が悪い」とお互いに思ってしまうとその論理の堂々巡りになってしまいます。
負けを認めるというのはその自分の正しさをひっこめることにあり、相手の言い分を丸呑みしていくということです。
それは道義的に相手が間違っていたとしても、認めなくてはなりません。

心の世界は相手も自分のイーブンであるというところで成り立ちます。
それには相手の話すことについてその正当性を認めなくてはならないのです。
はっきり言ってしまえば、とても惨めな気持ちになります。
受け入れるのがとても難しい物なのです。とても嫌なのです。
涙が出てしまったとしてもいいです。

しかし、さんざん泣いた後に残るのは、すがすがしいという気持ちだと思います。
さっき以上にみじめになることはまずないからです。
すがすがしさを感じ、相手の言い分を認められるようになると別の新しい視点が自分の中に生まれます。
その気づきはきっと人生に役立つものであると思います。

③相手の良さを見つけること

<POINT>
・許しが進むと相手の良さを見つけられるようになる
・相手の良さが見つかると投影の法則が働き自分にも良さがあることが分かる

相手の良さを見つけていくことも許しに大切なことです。
良いというところが見つかるとその相手のことが認められるようになるからです。
さらに、自分の良さも認めることにつながっていきます。

どうして相手の良さを見つけることは自分の良さを見つけることにつながるのでしょうか。
それは投影の法則が働くからです。
すなわち、自分にないものは相手に見出すことができないものなのです。
相手の良いところを見つければ、それは自分の魅力であると言えます。
投影の法則は、別の記事にて解説をしていますのでよろしければ読んでみてください。

投影の法則で人間関係を見ていくと自分の心の状態が分かる

相手の良さを受け取れるようになった時に、素晴らしいと思え、ありがたく感じることがあると思います。
ここまで来て初めて、許しが完了しているといえるのです。

3.まとめ

・許すことができると、怒りやわだかまりを感じることが少なくなります。
・許すことができると、かつて怒りを感じていた出来事と似たような状況になっても怒りを感じることが少なくなります。
・許すことができると、自由に生きていくことができるようになります。
・許しは、許そうという意識を持ち、負けを認め、相手の良さを受け入れることで進んでいきます

以上、参考になさってくださいね。

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